独断と偏見のみる貝論


みる貝の旬が過ぎました。
今年はいつになく美味しいみる貝がお手頃価格で求める事ができ頻度多くケースに並べる事ができました。
お客様にお勧めしているうちに気がついたのです。いつの間にかみる貝の地位を白みる貝が奪っていたのです。みる貝は本みる貝と名前が変わっていたのです。
みる貝は正しくは「海松喰い(みるくい)」です。
みる貝は給排水管が体の大半を占めている貝です。
英語名はサイホンシェルと言いますが納得できます。
海で生活している時は給排水管だけ外に出し、本体は砂地に潜っています。その給排水管の口のところに食用にはなりませんが海松(みる)という海草が付着し成長します。水揚げした時あたかも海松を食べている様に見えるため海松喰いという名が付いたのです。
私が修業に入った頃(50年前)みる貝は一斗缶に山盛り入って500円でした。
今は1個も買えません。
みる貝が少しずつ高くなるに比例して、申し訳なさそうに市場の片隅にいた白みる貝の存在感が少しづつ増してゆき、今やみる貝の地位を奪ってしまったのです。
白みる貝には海松は付着ないのにどうしてみる貝と呼べるのでしょうか。
私は怒っています。