開店日に思う事

開店38周年を迎える事ができました。皆々様のお陰様と深謝致しております。

お店を出す時、永く指導していただいた板前さんに報告に行きました。
「よく考えてお店を出す事にしました。」
「たーちゃん(私の愛称です。)寿司屋が10店同じ頃開店したとして10年経つと1店しか残っていない。健康とか家庭の事情とか色々あるとは思うけど、まあ俺の経験からだから当たらずとも遠からずだけどね。
寿司屋はどの店もネタケースの中に並んでいるネタは同じようなネタだ。そんなに変わらない。握る事だってそう変わらない、少し早いか遅いかぐらいだ。
じゃあ残った店は何が違うんだろう。俺も色々考えたよ。結局はその店の店主がお客様、、すし、そして自分とにいつも真摯に向き合っている店が残るんだと思う。
さっきも言ったように経験からだから確かではないけどね。大丈夫、たーちゃんの店は10年後も輝いているよ。」
板前さんは開店の時、忙しい時、困った時いつもお願いすれば駆けつけて助けて下さいました。
お亡くなりになる少し前、私と板前さんと なるちゃん(永く一緒に修業して今は六本木で永くすし店を営んでいます。)と3人で食事をする機会がありました。
帰る時 板前さんが「たーちゃんと なるちゃんは俺の自慢だよ。胸張ってあっちへ行けるよ。」空を指さして笑いながらお帰りになりました。
開店記念日になると聞こえてきます。
「たーちゃん お客様と寿司と自分とにいつも真摯に向き合っているか!」