おじさんは私たちのキューピットです

20150507imge何年か前の事です。
時折ご来店いただくカップルのお客様 今日はお母さんと娘さんとでご来店のようです。終始ニコニコ顔で楽しそうに話されています。
「そろそろお帰りになるのかな?」と思っていると「おじさん 私 明日結婚式です。」
「えーそれはおめでとうございます。もちろんいつもの彼とですよね。」
「そうです。おじさんはきっと知らないと思うけどおじさんは私たちのキューピットなんですよ。」「えー私 何かしました?」
「私たち初めてこの店に来た時、見知らぬ同士だったんですよ。たまたまそれぞれ同時に入って来たからおじさんが二人連れと勘違いして…その時お店も混んでいてこの席二つしか空いてなくて並んで席に着いたんですけど…おじさんが勘違いして色々彼に聞くもんだから別々ですと言いそびれて…そしたら彼は別々ですと言わないで色々頼み始めるし…彼がお会計してお店を出てから 割り勘にしてください。と言ったら いや僕が勝手に頼みましたからいいですよ。と言って受け取ってくれないんですよ。結構長く押し問答して 来週の同じ曜日、同じ時間にここでまた食事をしましょう。その時は私がお支払いします。という事になって連絡先を聞いて別れたんです。それで翌週ここで食事をしてお付き合いが始まったんです。だからおじさんは私たちのキューピットです。」
「そうですか初めてご来店いただいた時を良く覚えていますけど、てっきりお二人様だと思ったので…」
「私たち私の実家の近くに住む事になったので、もう桜上水から二人とも引っ越ししました。でもおじさんにはどうしても話ししたくて今日来ました。」
そう言って満面の笑みでお帰りになりました。
その後お見えになっていませんがお幸せに暮らされている事と信じています。
鏡に映る我が姿はとてもキューピットとは言い難いのですが…