誕生日に想う事

今年も無事に誕生日を迎える事ができました。感謝です。
誕生日にはいつも両親を想います。
父は私が一歳の時43歳で病死しました。
顔も姿も声も何一つ記憶がありません。
成長期に父がいない事に不自由さや不都合を感じたことはありませんが、
43歳は大きなハードルでした。
44歳になった時、安堵感と共に、父はこんな若さで亡くなったのか、幼子4人を残してさぞや心配であっただろうと父の無念さを想いました。

父亡き後は母が女手一つで育ててくれました。
昭和25年はまだ戦後の復興期です。今のような母子家庭への手厚い保護などありません。周りの生活保護の勧めも明治生まれの母は「人様の情けは受けない。」と断り赤貧の生活が続きました。
母が亡くなる少し前「お母ちゃん 幸せ?」と問うと笑いながら「幸せやよ。そやけどなお前たちが小さくってお母ちゃんとお前たち4人とで片寄せ合って暮らしていた頃がもっと幸せやったな。」
「えー。あの頃はお金も何も無くって、食べる物にも事欠いた頃が?」
「ほうやな 毎日どうやってお前たちに食べさせようかと困っていたけど、今振り返るとあの頃が一番幸せやったな。」
「お金や物が沢山ある事が幸せではないのだよ。」母の最後の教えです。
私の誕生日は亡き両親に感謝する日でもあります。
合掌