天国の先生お元気ですか?
拝啓
天国の先生お元気ですか?
そちらでも社会科を教えていらっしゃいますか?
今日は先生にお詫びを申し上げなければなりません。
もうご存知とは思いますが、安保法が可決致しました。
憲法の授業の時先生はおっしゃいました「9条は何百万人の尊い命の代償として得た尊い条文です。決して改正してはなりません。もし改正しようとした時は断固反対して下さい。憲法は有権者の3分の2以上の賛成がなければ改正出来ません。みんなが反対すれば改正出来ないのです。みんながお父さんやお母さんになった時その子供たちにそしてその次の子供たちにもこの事を伝えて下さい。」
先生 今回は憲法を拡大解釈する閣議決定をして安保法を可決しました。
私の投票の出番はありませんでした。これって姑息な方法ですよね。
私が心配になったのは閣議決定が憲法の上にあるという事実です。
ならば閣議決定をして拡大解釈すれば何でも出来てしまいます。
専制政治、独裁政治、恐怖政治にだってなってしまいます。とても怖い事です。
一度も国会へ抗議デモに参加する事無く可決してしまいました。
申し訳ありません。言い訳をするようですが選挙権を得てから一度も戦争に賛成する党には投票した事がありません。これだけは褒めて下さい。
先生 私ももうすぐ沢山の土産話を持ってそちらにお伺いいたします。
あの頃の私は紅顔の美少年でしたが、今は好々爺となってしまいました。
私からお声をお掛けします。「おう平田君じゃないか、君はちっとも変わらないね。」と言って温かく迎えて下さい。
その日を鶴首の思いで日々体に留意して過ごします。
寒くなって参りました。先生もお体ご慈愛賜りますようお願い致します。
敬具
平田 正